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奈良 法隆寺 土塀 版築 製法 [歴史]

今月3日が文化の日であることはこの日の記事でも触れましたが、このことにも関わってくる悲しいお知らせがありました。

↓<落書き>法隆寺土塀に「殺すぞボケ」など2カ所 修復困難(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131127-00000034-mai-cul



世界遺産である奈良県法隆寺の重要文化財の土塀「西院大垣(さいいんおおがき)」に、尖ったもので落書きが刻まれていたそうです。土塀を削る形で書かれていたため、きれいに修復するのは困難だそうです。寺は文化庁に毀損届を提出し、県警にも被害届を出す方針です。

では、この土塀はどのように作られたのでしょうか?それは、「版築」(はんちく)という製法です。

↓版築(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%88%E7%AF%89

具体的には、
1・まず、塀を作りたい部分を板で覆って囲み枠を作る
2・囲み枠に土や砂利などを薄く積む
3・土を「叩き棒」などの道具で突き固める→2を繰り返す
4・土が板の高さまで積みあがったら板を付け足すか、外して新しい板に変える
5・目的の高さまで積み上がったら完成

となります。この方法で作られた壁は、まるで地層やバームクーヘンのように細かい縞模様ができ、独特の風合いを持ちます。版築は、コンクリートが発明されるまでは安くて丈夫な工法として中国などで用いられてきました。近年では、化学物質などを使わない自然な工法として注目を集めていますが、一部ではコンクリートを用いた「もどき」が問題となっているようです。

今回の落書きを見ると、写真や映像を見た限りでは、落書きを消そうとすると周りも削る必要が出てくるため、表面の自然な風合いが消えてしまいかねません。

昔の遺跡に当時の人が書き残したものはともかく、今では落書きは文化的にも道徳的にも許されるものではありません。近年では日本の観光客が海外の遺跡や建築物に残した落書きが問題となって本人が特定され、謝罪に追い込まれた、という事件が取り上げられました。

犯人が誰かはまだわかりませんが、改めて、日本の伝統文化への畏敬の念を持たなければならない、と実感させる事件でした。





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