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es細胞 stap細胞 違い 自家蛍光 [テクノロジー]

ここ数日は会社に提出する作文で四苦八苦していました。ようやく出せたので頑張って書きます。

世間を騒がせてきたあの問題に決着がつくのでしょうか。

↓STAP細胞 遺伝子データに説明と矛盾する点(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140611/k10015134871000.html

1月30日の記事で紹介した、理化学研究所の小保方晴子リーダーが発表したSTAP細胞の論文に、また疑義が発見されました。横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員らと東京大学の2つのグループが、独自にSTAP細胞のものとされている遺伝子のデータを調べたところ、ほぼすべての細胞に8番目の染色体が通常の2本より1本多くなる「トリソミー」と呼ばれる異常のあることが分かったそうです。

動画はこちらです。



では、このトリソミーとは一体どのような現象なのでしょうか?

↓染色体異常(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E7%95%B0%E5%B8%B8

異数体(数的異常)と呼ばれる、染色体の不足あるいは過剰による異常。不完全な染色体の分離によって引き起こされることが多い。通常、染色体は2本で対をなしているが、これが1本になるのが「モノソミー」、3本になるのが「トリソミー」、4本になるのが「テトラソミー」、5本になるのが「ペンタソミー」である


常染色体の完全なトリソミーは13番染色体、18番染色体、21番染色体の3種類以外はごくまれにしか存在しない。この理由は、他の常染色体には、より重要な遺伝情報が多いため、トリソミーは致死的となり早期に流産するためである(以上Wikipediaより)


通常は2本存在する細胞内の染色体が3本になった状態をトリソミーと呼びます。このような異常が胎児に起きた場合、普通は生きられずに流産という結果になります。

この事実は、かねてから指摘されていたある事実とも符合します。

8番染色体のトリソミーは、すでに研究で広く使われている万能細胞「ES細胞」を長い間培養すると起きることがある異常としても知られています(NHK記事より)


では、そのES細胞はどこから来たのか?トリソミーなどの遺伝子異常は細胞分裂時に生じますが、ES細胞と違い、STAP細胞は分裂・増殖しない以上、新生児マウス由来とは考えにくいとのことです。

上記の2グループによる検証の詳細な解説が出ていました。

↓STAP細胞 元細胞の由来 論文と矛盾(日経サイエンス号外)
http://www.nikkei-science.com/wp-content/uploads/2014/06/20140611STAP.pdf

データ解析から判明した事実は、
・STAP細胞は、小保方リーダーが論文で指摘したマウス由来のものであった
・STAP細胞のほぼすべてが8番染色体にトリソミーを起こしていた
・論文にあったmRNAの2つの解析結果から、一つはES細胞の可能性が高く、もう一つは通常の体細胞であったと考えられる

という3点に集約されます。

さらに検証では、
小保方氏はマウスの細胞を酸性溶液に浸けると指標遺伝子を発現して緑色に光り始める様子を撮影した映像を公開したが,専門家らはかねて「指標遺伝子が発現して光っているのではなく,死にかけた細胞がよく発する自家蛍光ではないか」と批判していた。これと符合する結果だ
とまで言い切っています。

件の動画はこちらです。



この自家蛍光という現象は生物学の研究においては結構誤認されやすいもののようです。

↓蛍光顕微鏡データの誤った解釈(『蛋白質 核酸 酵素』Vol.54 No.2(2009年)より)
http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/PNE/2_article.pdf

前にも言いましたが、マスコミ報道の過熱ぶりからこれまでは論評は控えてきました。しかし、今回の検証結果は極めて重大な疑義だとしか思えません。

今後の動向に注目しましょう。


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